高校入試の朝。
朝6時、ケータイのアラームが鳴る。
まだいっか~
10分経過。
いややっぱりよくない。
台所に。
お弁当の準備。
えーとお弁当箱はここ、
あっ!
手が「滑って」お箸が「落ちちゃった」!
な、な、なんて縁起が悪い。
違うわ、これはただ単にお箸が床に向かって飛び出していったのよ。
受験に「勝つ」ように朝からとんかつ揚げて~
あとは手抜き。
今回は冷凍食品などもちらほら。
玉子焼き。
卵を冷蔵庫から取り出す。
あっ!「落としちゃった!」
ああ~卵が「割れちゃった」
不吉不吉。
この卵はお弁当には却下。
新たに冷蔵庫から卵を取り出す。
失敗を恐れるな、だよ。
今日は何でこう失敗が多いのかしら。
さすがにわたしも緊張しているらしい。
さて、今日のお弁当は合格弁当。
朝思いついて、有名な「虐待弁当」の霞んさんのだるま弁当を
参考に、作りました。
海苔を刻むのが難しい。
そうこうしている内に、次男が起きてきちゃった。
「朝ごはんー」
はいはい。
とんかつの残り。
「すごーい、朝からどうしたの?」
「お兄ちゃんが受験だからね」
「あっそうか。」
そうこうしているうちにパパまで起きてきちゃった。
「朝ごはんー」
その頃には時間がなくてわたしの顔色も変わっている。
お弁当の達磨の顔に苦戦中。
「おもち!冷蔵庫に入ってるから!
チンして。一番右のボタン、押して!膨らむ寸前で止めて!
お鍋に野菜が入っているからおもち入れてことことして!」
口だけでパパの朝ごはん製作終了。
やがてお弁当が出来上がる頃、お友達が2人やって来ました。
後一人来れば揃うね。
ところがあと一人が来ない。
約束は7時半なのにもう7時40分過ぎてる。
パパが送って行くことになってるんだけど
会社に遅れちゃう。
しょうがない、わたしが送って行くから!
「あの~僕のお弁当は...?」
「野菜スープできてるから!自分で入れてって!」
待ちきれずに出発寸前に最後の一人が到着。
車の中ではみんなでわいわい。
中学生男子の会話は聞いてて面白い。
って言うか、この高校受ける子、面白い子が集まっている。
この子達、みんな受かったらすごく楽しい高校生活が送れそう。
高校に着くと、塾の先生が旗持って立っていました。
まあ、こんな(失礼)ところにまで塾の先生が3人も来てくれるなんて!
(さすがに有名な先生はいなかった。K高やI高に行っちゃったらしい。)
若い新卒のような先生たちでした。
子どもたちを降ろすと帰りの車の中で
涙がぽろぽろ。
長かった~
長男の成績、小学校ではそんなに悪くなかったのに
中学に入ったらどんどん下がって、
授業がつまらない、学校の雰囲気が悪い、
と登校拒否寸前。
部活に入って立ち直って、3年夏の試合で引退すると
その翌日から猛勉強。
この高校を受験できるまでになりました。
お金もかかりました。
塾で月8万引き落とされたときは聞いてはいたけど
これがいつまで続くのか、と途方にくれた日々。
その間に父の死。
おじいちゃんっ子だった長男、とても心配だったけど
お通夜の日も「学校は休まない」と出かけました。
おじいちゃんに喜んでもらうために僕は合格するって。
涙なしには語れません。
後は本当に合格してくれれば言うことなしだけど
こればっかりはねぇ。
受かる子もいれば落ちる子もいるわけで。
今は長男が得意な問題が出るように
祈るばかりです。